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高架鉄道

シカゴでは、ダウンタウンを中心に高架鉄道が走っていて、東京の地下鉄と同じように市民の足となっています。この鉄道はL(エル)と呼ばれています(eLevated trainのLから来たらしい)。
路線の数は東京ほど多くは無いのですが、色で表示されていて、青・茶・緑・橙・紫・赤・黄の7路線あります。一部は地下鉄になっているところもありますが、基本的には全て高架になっています。
ダウンタウンでは、いたるところで道路の上を電車が走っており、駅入り口の階段を見つけるのも容易です。ただし、電車が通過するときに頭上ですごい騒音がするのが難点です。本当に落ちてこないのかと時々心配になるほどです。
改札口は全て自動改札になっていて、プリペイドカードまたは切符を挿入すると入り口のバーが回転する仕組みになっています。
面白いのはその料金システムです。料金は距離に関係なく一律になっていて、入場の際に$1.50徴収されます。どこまで乗っても$1.50です。また、電車を降りて一度改札を出ても、2時間以内にもう一度改札に入れば、今度は¢30(約40円)のみ徴収されます。ちょっと歩いて別の路線に乗るときや、ちょっと買い物をしてすぐに帰るときにはとてもありがたいシステムです。またさらに2時間以内に3度目の乗車をするときには無料になります。情報はプリペイドカードの方に残っているので、料金の計算は自動的に行われます。
さらに便利なのは、このカードがバスと共通になっていて、バスに乗るときにも同じルールが適用されることです。最初電車に乗って、そのあとバスに乗り継ぐようなケースでは¢30しか徴収されないため、非常に得をした気分になります。
改札の出口はいたってシンプルで、ただの回転扉です。入り口でしか料金徴収が無いので、出口は簡単な構造にできるわけです。当然片方向にしか回転しないようになっていて、外からは入ってこられないようになっています。
ホームはご覧のように殺風景で、板張りの床と鉄製の柱、ベンチがあるだけです。柱に3色のペンキが塗ってあるのが分かると思うのですが、これはこのホームに3つの路線の電車が止まることを示しています。日本の地下鉄だと同じ駅に違う路線が乗り入れる場合にはホームは別々になっているのが普通ですが、こちらではすべて同じホームに入ってきます。そのためどの路線の電車かよく確かめてから乗らないと、全然違うところに連れて行かれてしまいます。その代わり、違う路線への乗り換えはとても便利です。降りたホームでそのまま待っていれば違う電車が来てくれるのですから。
車内は意外と狭く、椅子も硬いです。こちらの人は体がかなりデカイのですが、椅子のサイズは特に大きいということも無いので、隣に座るのをちょっと躊躇してしまうこともあります。
車内のマナーは比較的良いようです(日本に比べて)。2人がけの席にはちゃんと2人座れるように気を遣っているようですし、譲り合いもできているようです。もっとも、時々物を売りに来る人がいたり、パンフレットを配って回っている人がいたりするのはアメリカらしいところです。
車両の連結部分は基本的にはドアを開けてはいけないことになっています(隣の車両には行けない)。ただ実際にはノブを回せば扉は開くので隣の車両に移っている人もたまに見かけます。ただし日本の電車とは違って車両の間は簡単な踏み板がついているだけ(屋根も囲いも無い)ので、走っている最中に隣の車両に移るのは結構勇気が要りそうです。
ドアの上に路線図があったりするのも日本の地下鉄とそっくりです。というか日本の方が真似をしただけなのかもしれませんが。

こちらに来る前は、地下鉄は危険だという話も聞いていましたが、乗ってみると結構人もたくさん乗っているし危険なイメージはありません(深夜等は例外でしょうが)。むしろ、安くて便利といういいイメージを持つことが出来ました。



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