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産学協同

今日はうちの研究室で"IMPACT Partner meeting"というものが開かれました。IMPACTというのは研究室のプロジェクト名称なのですが、このmeetingは研究室の研究内容を学外の企業の人たちに紹介し、同時に色々なアドバイスをもらおうという意図で開かれています。今年は、Intel、HP、Motrola などから10名以上のエンジニアやマネージャが出席していました。

日本でも大学の研究室では「オープンハウス」などと称して学外の人やOB向けに研究内容を紹介したりしますが、今日見たものはそれよりもずっと内容の濃いものでした。教授は研究内容がどれだけ企業・産業に貢献できるかを盛んにアピールします。ここには、研究内容を企業から見ても魅力あるものにして、自分たちの研究がより成果を収められるように、また企業からのサポート(金銭を含む)がより多く受けられるようにという意図が見えます。また個々の学生がどれだけすばらしい成果を収めてきたかを盛んにアピールし、リクルートの場にもしているようです。
教授の話の後は、個々の学生が自分の研究内容のプレゼンテーションを行い、それぞれについての質問やアドバイスが企業の人の側から寄せられます。これらのアドバイスを元に、単なるアカデミックな次元にとどまらずより実用的な研究となるように方向修正しているようです。
さらに、これらの合間には、ティータイム、ランチタイム、ディナータイムがあり、リラックスした雰囲気の中で、世間話、研究の話、リクルートっぽい話などをしながら交流を深めていきます。

アメリカでは企業と大学が緊密な関係にあるとは聞いていましたが、このように大学側から積極的に売り込んでいく姿を目の当たりにして、その実態が理解できました。このような活動をしていれば、大学側は企業からのサポートも期待でき、また企業から見て魅力のある研究を続けることが出来ます。逆に企業側は実りのありそうな研究に対して有効に投資が出来、また優秀な学生をリクルートすることもできます。少なくともコンピュータの世界ではこの方法はかなり有効だと思いますし、アメリカが日本よりもずっと進んだ研究を出来ているのも納得できます。
このままでは何年かかってもアメリカには追いつけないと思いますが、日本の大学がこのように変わっていくのはかなり難しいでしょうね。



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